ガソリンを携行缶に給油する時は、
セルフ店でもわざわざ店員さんを呼び、入れてもらうというのがルールになっていますが、
軽油に関してはどんなルールがあるのでしょう?
発電機はや水上バイクは?
軽油だからポリカンに入れてもいい?
ルールを知る前にまずは、
軽油の危険性についてもう一度考えてみましょう!
軽油の危険性について
一般的に軽油は安全と言われていますが、
軽油は危険物第4類「第2石油類」
に指定されています。
とり扱いを間違えれば大事故につながる恐れがあるので安全とは決して言いきれません。
軽油はどうやったら火がつくのか?
軽油はただ火を近づけても引火しません。
バーナーであぶっても、マグマを持ってきても火はつきません。
それは引火点がガソリンと違って高いからなんです。
引火点を簡単に説明すると
ライターなどの火を近づけた時に燃える最低温度
ガソリンの引火点は、-40℃
軽油の引火点は、45℃以上
この引火点の違いが、ガソリンと軽油の最大の違いです。
ちなみに、
日本の最高気温は過去に、
2018年に埼玉県熊谷で観測した41.1℃
世界では、デスバレーで観測された56.7℃
なので、デスバレーで軽油を取り扱うときは非常に注意が必要です(笑)
冗談はさておき、
結局軽油は安全なんでしょう?って思っているあなた
軽油は一度燃えたらとんでもなく危険です。それがこの動画↓
軽油は引火点が高いゆえに安全と思われがちですが、一度燃えればこの通り。
日本でも真夏の時期の気温は40℃以上
鉄でできた缶を炎天下で放置していると、
いくら軽油の引火点が高いと言っても、
軽油の温度が引火点に達する事もあるので、取り扱いにご注意下さい。
軽油なら客自ら携行缶に給油できるのか?
インターネットで、「危険物規制に関する政令」を調べても軽油に関する事はほとんど書いてありませんでしたので、
総務省消防庁に電話で直接聞いてみました。
答えは、
軽油も危険物に指定されているのでセルフガソリンスタンドで給油する場合は、
従業員(危険物有資格者)が給油する事が義務付けられています。
お客さん自らガソリンスタンドで軽油を携行缶に給油する事はダメという回答を頂きました。
ちなみに僕が住んでいる横浜市の消防局に電話して聞いてみても同じ回答でした。
軽油を携行缶に給油するには?
1、従業員が給油する事
2、本人確認、使用目的の提示が必要
ガソリンと同様の手続きを行わないと本来は給油できません!
というのが総務省消防庁の答えでした。
ポリタンク、発電機、水上バイクに給油してもいいの?
軽油をポリタンクに給油している人をよくみかけます。
携行缶って高いし売っている場所も限られているので
ホームセンターなどに売られている灯油用のポリタンクを手軽に手にいれて
給油したい気持ちは分かりますが、
灯油用のポリタンクに軽油を入れるのはダメ
軽油専用の容器に入れなけらばならない決まりがあります。
これも総務省消防庁に電話で直接聞いたので間違いない情報です。
発電機、水上バイクに給油は?
トラックの荷台に乗せた発電機、
牽引している水上バイク、ユンボ、芝刈り機
これらはほとんどガソリンを給油すると思いますが、
軽油の場合でも、
1、従業員が給油する事
2、本人確認、使用目的
が必要です。
自走できない機械は軽油であっても、
店員さんに入れてもらいましょう。
なぜ専用の容器を使う必要があるの?
灯油用のポリタンクも軽油用のポリタンクもあまり材質は変わらないのに
なぜ専用の容器に入れるのかというと、一番の目的は誤給油防止だからなんです。
石油ストーブにガソリンを入れて大爆発した事故例もたくさんあり
軽油は危険物に指定されています。
何回も言いますが、
引火点は、45℃(火を近づけた時に発火する最低温度)
発火点は250℃(自然に発火する温度)
軽油専用の容器はほとんど、
わざわざ緑色に着色されています。
ガソリンは、ご存じの通り赤ですね。
この色、どこかで見た事ありませんか?
ガソリン→赤
軽油→緑
そうこれです↓
このように、
専用の容器を使用する事
色が緑色と指定している事には、油種を間違わないようにするためです。
軽油専用容器の種類について
軽油を入れてもいい容器ってどんなタイプがあるのか説明しています。
・ポリカン
ポリタンクの値段は、1000円~1500円します。
10L、20Lの容器で売られているのが一般的です。
・金属製の缶
金属製なので、一番安心して保管もできます。
5、10、20Lの容器で売られているのが一般的です。
金属製なので値段は高めで5000円ほどします。
・ドラム缶
ドラム缶は、持ち運べる数量に気を付けて下さい。
それぞれ軽油専用の容器で、
消防法適合容器に入れる必要があります。
軽油用の容器ってどこで売っているの?
軽油用の携行缶、ポリタンクは
カインズやホームセンターなどに行っても
なかなか見つかりませんでした。
ネットで買うのが一番手っ取り早いと思います。
ポリタンクを買うなら、消防法適合ポリタンク↓こちらがおすすめです。
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携行缶ならこちらが頑丈でおすすめです↓
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ガソリンスタンドによっては給油できる?
お店によっては、
軽油ならポリカンでも
どんな容器、機械に入れても容認しているお店もあります。
ただし本当はダメという事は知っておいてくださいね。
軽油の保管、貯蔵、運搬について
軽油にもちゃんと運搬、貯蔵、保管方法が定められていますが、
基本的に個人で軽油を持ち運び、保管する場合は特に厳しい内容ではありません。
持ち運びに関して
軽油を持ち運ぶ場合、1000L以下の場合は特に規制はありません。
1000L以上の軽油を運搬する場合は、
「危」という標識を車両に設置する必要があります。
保管に関して
軽油を保管する場合は、200L以下であれば特に規制はありません。
200L以上保管する場合、保管する場所の構造が不燃素材である事が条件です。
1000L以上なら、構造が耐火構造が条件です。
軽油を保管する場所は、直射日光が当たらない暗室で保管しましょう。
保管できる日数は?
保管できる日数は特に制限は決まっておりませんが、
約半年と言われています。
軽油もガソリン同様、揮発し劣化します。長期間保存すると汗をかいて中に水も混入する恐れがあるのでなるべく早めに使うように心がけてくださいね。
ガソリンの携行缶に軽油を入れてもいいのか?
ガソリン用で使っていた携行缶に軽油を入れる事は可能です。
ただし、誤使用防止として容器に「軽油」のシールを張り軽油専用の容器にしてくださいね。
軽油と分かるシール、ステッカーならなんでもOKです。
目的は誤給油なので、ちゃんと分かりやすい場所に張っておいてください。
さいごに
軽油は、ガソリンと違い厳しく規制されていないのが今の現状で、
ガソリンスタンドによっては軽油をお客さん自ら給油OKを出しているお店もあるくらいです。
軽油がきっかけで大きな事故が起こった場合、
ガソリンと同様、軽油もめんどくさい手続きもしくは買えなくなる可能性すらでてきますので、一人一人がちゃんとルールを守って安全に給油して頂きたいと思います。